東京オリンピックのエンブレム、デザイナーを1964年と2020年で比較!

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オリンピックのエンブレムは、その大会の顔ともいえるものです。

前回、1964年は亀倉雄策氏によるデザインで世界的にとても評価されたものでした。

2020年のエンブレムは紆余曲折ありましたが、野老朝雄氏に決まりました。

今回は、1964年と2020年の東京オリンピックのエンブレムのデザイナーを比較してご紹介します。

1964年のエンブレムとデザイナー


(出典:http://www.joc.or.jp/)

エンブレムの特徴:
「枠いっぱいの大きな日の丸の下に、金色で太く五輪を描いたシンボルマーク」
枠いっぱいの日の丸は「太陽」も連想させ、シンプルながらも力強いメッセージ性が備わっていると絶賛されました。

大会のデザインポリシーは「日本的なものを加味した国際性のあるもの」という考えでした。当時の著名なデザイナー6人の中から“洗練されたモダンデザインと日本美を融合させた”亀倉氏のデザインがコンペによって選ばれました。


【亀倉 雄策(かめくらゆうさく)】

1915年4月6日生〜1997年5月11日没

出身地:新潟県
職業:グラフィックデザイナー

新建築工学院でバウハウス流の造形理論を学んだあと、1938年に日本工房に入社。

アートディレクターとして、海外向けに日本を紹介する雑誌「NIPPON」の制作に携わりました。戦後はフリーとなりテレビ局のロゴマークやグッドデザイン賞のロゴマークなどを手掛け、1950年代後半にはニコンのポスターで注目を浴びます。

日本の伝統的な美意識とモダンデザインの融合を模索した作品が多く、代表作に1964年の東京オリンピックのエンブレムや1970年の大阪万博のポスターなど多数あります。

1980年紫綬褒章を受章、1991年に文化功労者(文化庁)に選ばれました。

主な作品
・「ニコン」のポスターシリーズ、ニコンのロゴマーク、ニコンF(カメラ)のデザイン
・グッドデザイン賞のロゴマーク(Gマーク)
・ニッポン放送の旧ロゴマーク
・フジテレビの旧社章(8マーク)
・EXPO’70のポスター
・札幌オリンピックのポスター
・NTTのロゴマーク
・TDKのロゴマーク
・明治製菓の旧ロゴマークなど

2020年のエンブレムとデザイナー


(出典:i.huffpost.com)

エンブレムの特徴:
「日本の伝統色である藍色と市松模様をモチーフした組市松紋によるデザイン」

形の異なる3種類の四角形を45個組み合わせは、国や文化・思想などの違いを示しています。それらを超えてつながり合うデザインには「多様性と調和」のメッセージが込められています。

市松模様は二色の正方形を交互に配した模様です。チェッカーデザインとして古くから世界中で使われているものです。
日本でも古代より織模様として存在していましたが、江戸時代の歌舞伎役者の佐野川市松が舞台で着用して人気を博し、着物柄「市松模様」として流行しました。

最初、2020年の東京オリンピックのエンブレムはコンペによって選ばれた佐野研二郎氏の作品を2015年7月に発表していましたが、ベルギーのリエージュ劇場のロゴと類似しているという指摘があり、同年9月に白紙撤回しました。

大会組織委員会は改めて一般公募によって選定し直すこととなり、最終候補4作品から“シンプル、クール、日本の粋(伝統)を感じる”という好意的な意見のあった野老氏の作品が選ばれました。

【野老 朝雄(ところ あさお)】
1969年5月7日生〜

出身地:東京都
職業:デザイナー、アーティスト、教員

東京造形大学デザイン学科建築専攻を卒業後、AAスクール(英国建築協会付属建築学校)に在籍。江頭慎氏に師事。

9.11(2001)をきっかけとして「(平和のためにみんなが)繋がる事」をテーマに独学で紋様の制作を開始します。作品の特徴は、単純な原理に基づき定規とコンパスで再現可能な紋と紋様を応用したものです。

現在は建築に係るデザインを主としながら美術・建築・デザインなどで多方面活動をしており、建築家やデザイナーなどとの協働も多数あります。

主な作品:
・工学院大学125周年記念総合教育棟ファサードデザイン
・大名古屋ビルヂングファサードガラスのデザイン
・ブリーゼタワー(大阪・梅田)地下通路の床面
・2020年夏季オリンピック・パラリンピックのエンブレム
・テレビ朝日の番組『デザイン・コード』タイトルロゴ
など

 

まとめ

2020年東京オリンピックの新エンブレムが発表され一年以上経ちました。

藍色に組市松紋は、日本や江戸の粋を感じさせる素敵なデザインだと思います。

発表から50年以上経っても人々を魅了し続けている1964年のエンブレムと同様、2020年のエンブレムも長く愛されるものとなっていくといいですね。

以上、「東京オリンピックのエンブレム、デザイナーを1964年と2020年で比較!」でした。

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