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東京オリンピック2020 スポーツクライミングの日程、会場、ルール、歴史

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近年、子供から大人までボルダリングが人気となり、全国各地には専用施設も作られるようになりました。2016年8月には2020年の東京オリンピックの追加種目として、ボルダリングを含むスポーツクライミングの採用が決定しました。

今回は、スポーツクライミング競技の日程や会場、ルールと歴史についてご紹介します。

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東京オリンピック2020 スポーツクライミングの日程・会場

開催日程:スポーツクライミングなど2020年オリンピックの追加種目となった競技の日程は、まだ正式決定されていません。発表されましたら追記します。

会場:青海アーバンスポーツ会場
所在地:東京都江東区青海

会場の青海アーバンスポーツ会場は常設の競技場ではなく、大型レジャー施設やショッピングモールなどが数多く立ち並ぶお台場に仮設の会場が設けられる予定です。

スポーツクライミングのルール

スポーツクライミングは登山手段の1つであるロッククライミング(岩登り)の中のフリークライミングをスポーツ特化させた競技です。

フリークライミングは屋外にある自然の岩を、道具に頼らず自分の技術と体力だけで登りますが、スポーツクライミングでは屋内に人工壁を設置して使用します。

国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が定めるスポーツクライミングの種目は、ボルダリングリードスピードの3つです。
2020年の東京オリンピックでもこの3種目が実施されます。
通常は単独の競技ですが、東京オリンピックでは1人の選手が3種目すべて行い、総合を成績で競う複合種目となります。

種目数は「スポーツクライミング複合 男女2種目」、競技人数は男女20名ずつの合計40名を予定しています。

【ボルダリング】
高さ約3m~5mの壁にホールド(突起物)を設置し、最大12手程度の課題(コース)が組まれます。スタート位置は決まっており、ゴールホールドへ到達(安定した姿勢で両手で触る)した課題の数を競います。
課題攻略のカギは、正しい動きを見出せるかどうかであるため“体を使ったチェス”とも言われます。

〇勝敗の決め方:
高さ5m以下の壁に設定された複数のコースを制限時間内に登りきる数を競います。
同数の場合は、完登に要したトライ数の少ない選手が優先となります。

通常、予選・準決勝(定員20名)・決勝(定員6名)の3ラウンドで行われます。
1つの課題で落下しても制限時間内であれば、やり直しできます。

〇課題数:予選5個、準決勝・決勝5個

〇競技時間:予選と準決勝は各課題5分、決勝は各4分間

予選と準決勝は「5分間の競技」と「5分間の休憩」を交互に繰り返します。他の選手のトライは見ることができません。5分間の競技時間内にオブザベーション(観察)も行い、手順を考える必要があります。

決勝は全ての選手が「4分間の競技」を終えた時点で次の課題に全員で移ります。他の選手のトライを見ることはできませんが、各課題2分間のオブザベーションを全員で行うことができます。

予選と準決勝は制限時間が終了時点でトライの途中であっても止めなくてはいけませんが、決勝はトライをスタートしていれば完登・墜落・反則するまで競技続行できます。

〇ポイント:

設定されたコースの難易度や強度、不安定度が3種目の中でもっとも高い種目です。
選手はよりダイナミックな動きや高い技術と身体能力(体力・体幹・瞬発力・柔軟性)、コースを見抜く洞察力を必要とするため、メンタルのコントロールも影響してきます。

【リード】
高さ12m以上の壁に設けられたルート(最長60手程度)を制限時間内にロープとハーネスで安全を確保しながら登り、“どこまで登れたか”を競います。

基本的には“クライマー(登る人)”と“ビレイヤー(地面でロープを使用し、登る人の安全を確保する人)”の2人1組で行われます。
ルートを初見で登り、落下すると競技終了です。

〇勝敗の決め方:
より高い地点まで登れた選手の勝ちです。

ホールド(支点)にロープをかけて安全を確保しながら登り、最後のホールドにロープをかけると完登と見なされます。

途中で落下(フォール)、または制限時間切れになるとそこまでが記録となります。
ルートには下から順番にホールドに番号が振られており、何番まで到達できたかの数字がスコアとなります。

到達した高度が同じ選手同士の場合、その高さまで到達したタイムが短い選手が上位となります。

通常、予選・準決勝(定員26名)・決勝(定員8名)の3ラウンドで行われます。

〇ルート数:予選2本のルートをそれぞれ1回のみトライ、準決勝・決勝は1本のルートを1回のみトライ

〇競技時間:予選は各ルート6分、準決勝・決勝は各8分

いずれの試合も他の選手のトライは見ることができません。
予選は事前にビデオもしくは実際のデモンストレーションを見ることができます。
準決勝と決勝は、選手全員で6分間のオブザベーションを行うことができます。

〇ポイント

壁は12m以上と大変高い上に傾斜もかかっています。
長い距離は体力的に、高さは心理的にプレッシャーがかかるため、「持久力」と精神的な強さが必要となります。
最初から最後まで全力で登りきることは難しく、なるべく少ない力で高度を上げて登っていくためのテクニックや戦略性も要求されます。
登った高さを競う競技なので、制限時間内にルートの途中で休めるポイントを見つけて体力を回復させることもできます。

【スピード】
ホールドが配置された高さ10mもしくは15mの壁を、どれだけ早く登るかを競う種目です。ホールドの位置はあらかじめ周知されています。

選手は(終了支点付近に支点確保された)ロープの繋がったハーネスを装着しているため、途中で支点の確保は必要ありません。純粋に登るスピードだけを競います。

〇勝敗の決め方:
2人の選手が“隣り合う同一条件のルート”で登る勝ち抜き方式です。
スタートの合図で2選手が同時に登り始め、トップのスイッチを押した時点でのタイムが記録となります。

通常、予選のタイム順に上位16位までが決勝トーナメントに進みます。
予選では同一コースが配置された壁が2つあり、それぞれ1回ずつトライして早い方のタイムを使用することができます。

決勝は勝ち抜き戦です。
2つの壁の内どちらか1回のみトライすることができます。
順位の高い選手と低い選手が1回戦で当たるように組まれ、タイムの早い選手が勝ち上がります。

〇ポイント

ホールドの位置はあらかじめ周知されているので、選手たちは同じルートで事前にトレーニングを行うことができます。
“いかに早く登るか”という瞬発力に特化した種目です。大会では対戦相手からのプレッシャーに負けず、自己ベストのタイムを出すため集中できるか心理戦にもなります。
現在15mでの世界記録は、男子が5秒60、女子は7秒53です。
オリンピックではコンマ数秒を競い合うことになるでしょう。
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スポーツクライミングの歴史

ロッククライミング(岩登り)の中のフリークライミングをスポーツ特化させた競技がスポーツクライミングであり、20世紀後半に誕生しました。

ロッククライミングとは、険しい山や岸壁などを登る際の登山方法であり、またその練習として行われていたものです。主にヨーロッパを中心に発展してきました。

1953年に世界最高峰のエベレストが初登頂された頃から、登頂する手段としてのロッククライミングではなく、純粋に岩や岸壁をよじ登ることを楽しむ人々も出てきました。
屋外にある自然の岩を、道具に頼らず自分の技術と体力だけで登ることをフリークライミングといいます。

1950年代にアメリカのヨセミテで「岩に加工を加えず、道具も極力使わない」スタイルのフリークライミングが考え出されました。このスタイルがヨーロッパに伝わると、危険なところを登る冒険性を追求するスタイルと、ムーブ(身体的な動き)の困難さを追求するスタイルに分かれていきました。

ムーブの困難さはスポーツ的なものであり、「道具を使わず自分の技術と体力だけで登る」という点は受け継ぎつつ、岩にボルトを埋め込んでルートを作るということで高難度のルートを実現していきました。これは主にフランスで形成されていきました。

競技としては、1940年代後半から1980年代にかけてソビエト連邦が自然の岩場でスピード種目の競技を実施したことが始まりとされています。
1985年にはイタリアの岩場でリードによる初の競技会が開催され、フランスでは屋内のクライミングウオールを使用して競技会が開催されるようになりました。

1989年、初めてワールドカップが初めて開催され、1991年には世界選手権が始まりました。当初はスピード種目だけであった大会も現在ではボルダリング・リードを含んだ3種目を実施しています。

2007年にはこれらの大会を統括する国際スポーツクライミング連盟(IFSC)が誕生し、同年IOCの公認団体となりました。
日本ではIFSCの加盟団体である日本山岳協会が主催するジャパンカップ、日本選手権が開催されています。

日本では1924年にロック・クライミング・クラブが設立され、1950年代以降にはフリークライミングも注目されるようになりました。
1980年代頃から山岳地域の岩場のフリー化や近郊の岩場のフリルートが開拓されるようになり、優秀なクライマーが登場するようになります。

中でも、平山ユージは1991年第1回世界選手権(リード)で銀メダルを獲得、1998年と2000年のワールドカップでは総合優勝しています。
現在でも野口啓代や楢﨑智亜をはじめ世界大会の表彰台に立つ選手が多く、競技初期から日本はスポーツクライミングの強豪国として知られています。

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まとめ

2020年東京オリンピックのフリークライミングでは、技術力が問われる“ボルダリング”、持久力を必要とする“リード”、瞬発力を競う“スピード”と3種目複合の競技として実施されます。
3種目それぞれに見どころは違いますが、トップ選手たちが高い壁を高い技術力で持って登っていく姿は圧巻です。ぜひ、注目してみてくださいね。

以上、「東京オリンピック2020 スポーツクライミングの日程、会場、ルール、歴史」でした。

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