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東京オリンピック2020 近代五種の日程、会場、ルールと歴史

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“近代オリンピックの父”と呼ばれるクーベルタン男爵の提案によって始まったといわれる『近代五種競技』は、日本では馴染みが薄いのですがヨーロッパではとても人気があります。

今回は、2020年東京オリンピック・近代五種競技の日程や会場、ルールとその歴史についてご紹介します。

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東京オリンピック2020 近代五種の日程・会場

【開催日程】
男子:2020年8月7日(金)
女子:2020年8月8日(土)

【会場】
◯フェンシング
武蔵野の森総合スポーツ施設
所在地:東京都調布市飛田給1丁目1番41号

◯水泳・馬術・コンバインド(射撃+ランニング)
東京スタジアム
所在地:東京都調布市西町376番地3

近代五種はその名の通り、1人の選手が5種類の競技を行います。
フェンシング、水泳、馬術、コンバインド(射撃+ランニング)という全く異質の5種類の競技を1人の選手が1日で行う過酷な複合スポーツです。

会場は武蔵野の森総合スポーツ施設(2017年11月完成予定)と東京スタジアム(味の素スタジアム)が予定されています。住所が違うので調布市内でも離れているのかと思いますが、実は道路を挟んだ隣接しており、ペデストリアンデッキでつながる予定です。

現段階では近代五種の水泳は東京スタジアムで行う予定ですが、現在東京スタジアムに水泳施設(プール)はなく、新設される武蔵野の森総合スポーツ施設のサブアリーナに屋内プールが設けられることからこちらで行われる可能性が高いでしょう。

また、東京スタジアムは2003年から味の素がネーミングライツ(命名権)を取得して「味の素スタジアム」として親しまれています。しかし、オリンピック・パラリンピックでは公式のスポンサー以外の企業名は排除されるため、2019年3月以降に命名権を取得してもオリンピック期間は“味の素スタジアム”という名前は使えない可能性が高いようです。

近代五種のルール

フェンシング・水泳・乗馬の3種目までの得点差をタイム換算して、4種目目のコンバインド(射撃+ランニング)はハンディキャップ方式で上位の選手からスタートします。

最後のランニングをゴールした順位が総合成績の順位となります。

それぞれの競技内容やルールは以下のとおりです。

【フェンシング】
内容:エペによる1分間一本勝負の総当たり戦点数:勝率70%(35試合の場合25勝)を1,000点とし、1勝敗ごとに24点を増減

ルール:同時突きの場合、時間内であれば再度実施するが時間内に勝負が決まらなければ、両選手とも負けとなる

見どころ:通常のフェンシングでは決められた時間内に何本取るかが勝負ですが、近代五種におけるフェンシングは1分間一本勝負のため選手の一瞬の瞬発力が求められます。総当たり戦のため、ほぼ途切れなく試合が続きます。

※エペとは、フェンシングの武器の1つで種目名でもある。断面が三角形で曲がりにくく長いブレード(刃)と大きく丸いガルト(鍔)を持つ重い剣。攻撃スタイルは“突き”のみ。攻撃権はなく、全身と剣の内側が有効面。

【水泳】
内容:200メートル自由形点数:2分30秒を250点とし、0.33秒1点(1秒3点)を増減

ルール:自由形なので泳法は指定されていませんが、最もスピードの出るクロールが一般的です。得点は順位ではなくゴールしたタイムによって決まります。

見どころ:最終種目のコンバインドがフェンシング、水泳、馬術の合計点の得点差によってスタートするので、少しでも点数を稼ぎたい種目です。日本ではフェンシング、馬術は経験が浅くても水泳経験者の選手が多いのも特徴です。

【馬術】
内容:貸与馬による障害飛越競技点数:300点満点からの減点方式

ルール:12障害15飛越(ダブル、トリプル障害含む)で行われ、高さは最高120cm、所定時間のオーバー、障害落下、不従順、1回目の落馬などによって減点され、2回落馬すると競技中止となります。

見どころ:抽選で馬を選び、20~30分後には競技に入ります。通常の馬術競技と違い、慣れ親しんだ愛馬で試合をするわけでないので、馬との相性が試合の結果に関係してきます。乗馬技術ある一定以上は必要ですが、ある意味、馬次第ともいえます。

【コンバインド(射撃+ランニング)】
内容:射撃(レーザーピストル5発)と800mランニングを交互に4回行う点数:加減点方式ではなく、ゴールした順番が最終順位となる

ルール:13分20秒を500点とし、フェンシング・水泳・馬術の3種目の合計点を1点=1秒として、上位選手からタイム差でスタートします。射撃はレーザーピストルを使用し、5的を命中させるか命中しない時は50秒間撃ち続けます。その後、ランニングに移行します。これを4回繰り返しゴールとなります。

見どころ:射撃には集中力が求められ、ランニングから射撃へは動から静への自制力、が求められます。これを4回繰り返すことでかなりの持久力が求められます。射撃が当たらないとランニングに移れないため、そこで差が開いてしまいます。

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近代五種の歴史

近代五種は近代オリンピックとともに生まれた競技です。

なぜ“近代”なのかというと、もともとオリンピックは古代ギリシャ(B.C.9世紀~A.D.4世紀)で4年に一度行われていた競技会でした。

これ参考にして、19世紀後半、“近代オリンピックの父”といわれるクーベルタン男爵(仏:1863-1937)が世界的なスポーツ大会を開催することを提唱して始まったのが、現在のオリンピックです。

古代ギリシャでは、レスリング・円盤投・やり投・走幅跳・短距離走が五種競技(古代五種)としてありました。

クーベルタン男爵はこの五種競技にヒントを得て、近代ならではの五種競技と考案したのが“近代五種”です。実は国際オリンピック委員会(IOC)から誕生した唯一のオリンピック競技です。

近代五種の種目のフェンシング・水泳・乗馬・射撃・ランニングは、古代五種と内容が異なります。

これは19世紀前半のナポレオン1世時代のフランスにおいて、銃(射撃)と剣(フェンシング)で敵を討ち破りながら敵陣を馬(馬術)で突っ切り、川を泳ぎ渡り(水泳)丘を越えて(ランニング)自軍へ戻り戦果報告をした将校の故事に乗っ取っています。

全く性質の異なる5種類の競技を1人の選手が行うには、瞬発力・集中力・持久力と肉体的にも精神的にも高いレベルが要求される過酷な複合スポーツです。

これは肉体と精神の調和をめざすギリシャ哲学に傾倒していたクーベルタン男爵の“スポーツの中に哲学を見出す精神と姿勢”が現れたものであり、近代五種が近代オリンピックの精神を体現する競技「キング・オブ・スポーツ」と呼ばれる所以でもあります。

ヨーロッパでは王侯貴族のスポーツとも言われ、とても人気があり、クーベルタン男爵も「スポーツの華」と言っていました。

オリンピックの競技種目としては、1912年ストックホルムオリンピック(第5回)で採用されました。当初は男子だけでしたが、2000年シドニーオリンピックからは女子種目も採用されました。世界大会などでは団体戦もありますが、オリンピックでは個人戦のみです。

20世紀終わり頃からオリンピックのテレビ中継が盛んとなり、また観客からの1つの競技場で五種目すべて見たいという要望に応え、1996年アトランタオリンピックから全種目を1日で競技する形式になりました。

2008年北京オリンピックの翌年からは、射撃はレーザーピストルを使用してランニングを合わせて行うコンバインドに変更され、2012年ロンドンオリンピックから実施されました。

日本では、1959年に日本近代五種競技連合が結成され、1960年ローマオリンピックから田中和宏選手(35位)と内野重昭選手(38位)でした。

以降、1992年バルセロナオリンピックまでは毎回出場していました。

1996年アトランタオリンピックから2004年アテネオリンピックまでは出場を逃していましたが、2008年北京オリンピックには村上佳宏選手が出場(31位)、2012年ロンドンオリンピックでは初めて女子の山中詩乃選手(30位)、黒須成美選手(34位)が出場しました。

残念ながらオリンピックの近代五種競技で日本人選手は、メダルを含めて入賞していません。

ヨーロッパではとても人気がある近代五種も日本では馴染みが薄く競技人口も少ない状況です。そこで、日本では独自に水泳とコンバインド(ランニング・射撃)の“近代3種”という競技の普及活動を行っています。

射撃の用具をBB弾スポーツピストルに置き換えており、近代五種への入門ともいえる競技です。ここで良い成績をおさめた選手が近代五種に移り、オリンピックへ出場しています。

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まとめ

日本ではあまり知られていませんが、近代五種はその由来からオリンピックでは存在感のある競技です。

異質の5種類のスポーツを1日で行うので、総合的な運動能力と精神的な集中力が求められます。選手の得手不得手によって一つの競技内でも順位が入れ替わるので、一瞬たりとも見逃せません。

2020年東京オリンピックで注目してみてはいかがでしょうか?

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